リオネルメッシさん、ご質問ありがとうございます。社会学部3年の流素麺がお答えします。一橋大学におけるスポーツ社会学分野では、政治・経済・文化などと深く結びつく主体としてスポーツを捉え、「スポーツと社会の関連を問う」ことを理念としつつ実に多様な分野と関わり合いながら研究を行っています。社会学はもとより、歴史学、教育学、文化研究、政策研究、開発研究、地域研究、福祉研究なども包含した学問分野となっています。過去に私が受講した授業でも、オリンピックにおけるナショナリズム発揚の事例、サッカーファンの文化性、アメリカのバスケットボールとストリート文化の関係など、受講者の興味に合わせて多様なスポーツ関連の研究を取り扱っていました。持続可能な人間と社会経済開発を促し、さらに恒久平和の構築のためのアイテムとしても脚光を浴びるようになったスポーツは、現代社会を読み解くひとつの重要な領域として重宝されているようです。そしてスポーツ科学については、「科学」という言葉の捉え方によって指し示すものが大きく異なります。「科学」を自然科学的な意味で考えれば医学や生理学、栄養学などと結びついた内容に、人文科学・社会科学的な意味で考えれば政治学や心理学、政治学などと結びついた内容になるなど、単に「スポーツ科学」とだけ言ってしまえばその学問領域はとても広大なものになります。弊学で学べるのは後者の人文科学的な範疇でのスポーツ社会学が中心であり、前者の自然科学に関係する研究は、いわゆる理系の分野の学部がある大学で盛んなようです。一橋大学には、スポーツと開発論、スポーツと政治学、余暇や生涯学習としてのスポーツなどさまざまな分野を扱うスポーツ社会学の先生が在籍されているので、ぜひ学部での授業を楽しみにしていてください。春に国立でお会いしましょう。一橋大学 一橋祭運営委員会社会学部3年 流素麺