科目別アドバイス

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国語が得意な方へ

第一問の現代文は、記述の文字数が少ないのが特徴です。文字数が少ない中で得点するためには、設問で求められていることを正確に読み解き、必要な要素だけを盛り込むことが求められます。そのためには、文章の流れを読み取ることを常に意識することが大切です。
第二問の近代文語文は、共通テストの古文・漢文が読めるようになれば、解くための古文・漢文の知識としては十分です。あとは、似たような構成の文章が多いので、それに慣れていくことができれば安定して得点できるようになります。
第三問の要約は、大事な部分をピックアップしながら文章の流れに沿ってまとめていくというやり方がおすすめです。要約は自分で間違いがわかりづらいので、自分で採点するだけでなく、添削を受けるべきです。
そして、それぞれがある程度取れるようになったら、自分の中で時間配分を決めて練習できると、本番でも焦らずに最大限の力を発揮できると思います。

国語が苦手な方へ

まず、一橋の国語の問題の傾向に大きな変化はないため過去問を遡り、分析をすることが最も有効な対策だと思います。では、具体的に各大問ごとの対策のアドバイスをしようと思います。
第一問の対策としては、過去問の答えと自分の回答を照らし合わせ、不足していた要素や、そこでの解答作成技術(換言など)など自分に足りなかった点を付箋に書いて貼り、自分の弱点を見つけました。
第二問については、過去問に出てきた重要な語法を一つずつ覚えていきました。過去に出た語法がそのまま使われることもあり、語法を覚えることで読解しやすくなり、点数も安定しだしました。
第三問の対策としては、過去問を用いて何度も解き、予備校で添削してもらっていました。要約するときは、本文の言葉を用いながら、論理の流れに沿って行うことが大事だと思います。また、過去問を1回やっただけでは不十分であるため、何度も見返すなど復習を徹底しましょう。

商、経済、SDS学部志望の方へ

大事なのは、問題に対して1対1の知識を積むのではなく、1対nの解法(1つの条件・解法・テーマに対して複数の、かつ全ての問題に対応するのに十分な数の解法)を持っておくことです。盲目的に青チャートや確認シリーズの周回を目標にすると、問題と解法が1対1かのように錯覚してしまいます。
ただ、個人的に「与えられた問題に対してn個の解法を想起すること」と「想起した解法の中から最も適切だと思われる選択肢を選ぶこと(計算ミスが少なそうなど)」が大事だと思うので、問題と出会うたびに自分の中で1対n対応のnの選択肢(例えば、整数問題で僕が整理していた解法は下記の通り)を整理し、過去問を通してその選択肢の中から最良の選択をする練習を積めば良いでしょう。
整数問題
1、約数倍数条件を絞り込む
2、問題文or導き出した必要条件を絞り込む(実数条件、大小関係など)
→しらみつぶし
3、合同式(mod)で考える
数学頑張れ!!!

法、社会学部志望の方へ

一橋数学の特徴として、例年整数・確率の問題がほぼ確実に出題され、微積・図形の問題の出題傾向が高いことが挙げられます。全ての問題を網羅することが理想ではありますが、他の学部に比べ、数学の配点が低い法・社会学部を志す方々には、上記の問題の対策を重点的に行うことをおすすめします。
ただし、それらの対策を行う上で、最初から応用問題に触れようとしても無残に散るだけです。個人差はありますが、高校3年の春〜夏ごろまでは基礎固めを徹底することをおすすめします。基本は網羅系の参考書を用いることでさまざまな問題を蓄積させつつ、時折力試しとして地方旧帝レベルの問題を解いてみてください。
夏以降は他の科目との折り合いをつけつつ、一橋の過去問はもちろん東大・京大の問題も場合によっては解くことで応用力をつけることをおすすめします。
 一橋の法・社会学部を目指す方々にとって、数学の克服は合格への大きな一歩となるでしょう。

英語が得意な方へ

英語はすぐに点数を上げることが難しい一方で、点数が安定しやすい科目でもあるので、強みにするとかなり有利になります。
長文問題については、数年前から超長文1問形式に変わりましたが、昨年再び長文2問形式に戻りました。来年はどちらの形式になるかわからないため、バランス良く対策するのが良いと思います。前期に超長文の問題が少ないと思った場合は、後期の問題もおすすめです。問題文の意味をしっかり考えてから書き始めると的を得た解答をしやすいです。まずは単語を覚えることが最重要ですが、難解単語だけでなく、一橋では頻出の熟語やイディオムも早くから少しずつ覚えておくと良いでしょう。
英作文については、ある程度の単語力を付けたあとは、練習・添削あるのみだと思います。一橋に特徴的な絵の描写が出た場合は、描写と想像をうまく織り交ぜて書くようにしてください。うまい英語の表現が思いつかない場合は、簡単な言葉で言いかえられないか考えてみてください。

英語が苦手な方へ

英語が苦手な受験生には、まず「ひたすら音読」をおすすめします。センター試験レベルの文章を繰り返しシャドーイングすることから始め、二次試験レベルの文章を繰り返し音読するという作業を、直前期まで続けてみてください。読解のスピードが上がるほか、共通テストのリスニング対策にもなるなど、一石二鳥いやn鳥の試みです。
長文については、日頃から、「構文テキスト・参考書等を用いた精読の特訓」と、「標準的な難易度・分量の問題をひたすらこなす多読の特訓」を、両方こなしてください。これらを繰り返すことで、内容を正確に取りながら、長文を処理する能力が身についていきます。また、英作文において、英語の苦手な受験生の多くが陥りやすいのが、「過去問を漫然と解き、先生に添削してもらい満足する」というパターンです。おすすめする英作文の勉強法は、「コロケーション・例文・定型文のインプット」を増やすことです。英作文の参考書などに載っているものを、ひたすら暗記するまで書き続けてください。
英語は正しい勉強を毎日継続すれば、必ず成果が出ます。焦らずに、やり続けていきましょう!

法、社会学部志望の方へ

一橋日本史の難易度はかなり高く、差が付きやすい科目なので法・社会学部を受験する方はこの科目でしっかり得点を稼ぐ必要があります。一橋の日本史は例年近代以前(江戸時代中心)から1題、近現代から2題出題されます。なかでも近現代の大問はおよそ15年おきに同じような問題が出題されることが多く、大問のテーマも似通っています。そのため、最低でも過去25年分ほどの過去問演習は必須です。
また、ほぼ全ての問題が論述形式であるので単純な語句の知識だけでは解答できず、キーワードの内容や因果関係の正確な理解が求められるため、教科書の文章自体を暗記するような勉強法が効果的です。加えて、演習を通して論述の書き方に慣れていくことも本番で十分得点するために必要です。
日本史は勉強してきた分がそのまま結果に反映される科目なので、地道な努力を欠かさず確かな実力を蓄えていってください。

商、経済学部志望の方へ

商・経済学部を受ける方々は配点の割合から英数の対策を優先し、日本史の勉強の比重を他教科より減らす、もしくは近代史のみを主に対策するといった割り切った戦略を取ることが有効な場合もあります。その上で私の対策方法を紹介したいと思います。
私は過去問研究が一橋の日本史で一番重要だと思います。一橋の日本史は過去問と似たテーマが出題される場合が多く、過去問対策をしっかり行うことで点数が取れるようになります。過去問には日本史の重要な論点が詰まっています。過去問のテーマについてYouTubeなどで調べることで、時代の流れや因果関係を理解し、その意図が掴めるようになると思います。実際に過去問のテーマについて掘り下げてみると、学会で重要な論点であったり後世への影響が大きいものであったりして、それも過去問研究の醍醐味です。日本史に詳しくなるという点でも、一橋の過去問は通史とは違った切り口で歴史を見返す良い教材になると思うので、過去問と格闘することを強くおすすめします。

法、社会学部志望の方へ

世界史の通史1周目は参考書で行いお盆休み前に終わらせました。通史が終わった後は共通テスト直前期の1か月を除きひたすら過去問を解きました。(共通テスト直前期は共通テストの過去問などで抜けをなくしていました)一橋の世界史は過去問が形を変えて出ることも多いのでなるべく多く解きたかったからです。合計で35年分くらい解きました。
通史の復習は教科書で行いました。教科書は通史1周目には文章が堅いので読みづらくおすすめしないですが、情報がコンパクトにまとまっているため2周目以降におすすめです。特に一橋でよく出る中世ヨーロッパや近代東アジアは教科書の文章を丸暗記しました。その方が論述を解く際に必要な要素の書き忘れを防ぐことができ、また、暗記した文をそのまま回答として使うことができると思ったからです。
一橋の世界史は難しいからと変に難しい参考書に手を出しがちですが、まずは教科書レベルを完璧にすることが大切だと思います!

商、経済学部志望の方へ

一橋の過去問を自習するうえで3つのアドバイスをします。
第一に、学校の先生や予備校といった採点サービスを適宜活用しましょう。身一つで解説とにらみ合っていてもバイアスが働いて自分のいいように捉えてしまいがちですが、プロの視点から指摘を受けることで自分の答案を客観的に見直すことができます。
第二に、ノートを取って情報を整理しておきましょう。あらかじめノートを取り、どの部分に何文字程度割くか決めてから書き始めることで、終盤のつじつま合わせの時間が省け、結果的に無計画で書き始めた場合よりも早く書き切ることができます。
第三に、過去問をなるべく多く解きましょう。一橋世界史の特徴に類題が出やすいことがあります。過去問を多く解くほど、類題で得た知識を本番に生かすことができる可能性が高まります。
商、経済は世界史の配点が低いとはいえ全体の10%以上を占めるので、侮らずに英数の息抜き程度に取り組みましょう。

地理選択の方へ

一橋の地理では初めて見た情報を自分の知っている知識につなげることが求められます。そのため、基礎的な知識だけでなく、一橋地理特有の発想力や書き方を身につけなければなりません。問題集を何周もしたり、新出単語を単語帳で調べることを続けたりして基礎知識を身につけた後は、過去問演習で論述の対策をしましょう。1年分解くごとに先生から添削指導を受けることで、自学自習ではなかなか身につかない一橋地理独特の書き方、問題へのアプローチをつかむことができます。
私はこれと並行して資料集や参考書の内容を、1冊の教科書に書き込み、何度もその教科書を読み込んで知識の幅を広げました。また、新聞を読み現代の社会問題の仕組みやその解決策などを知ることで、問題へのアプローチが身につきます。
最後になりますが、地理は他のどの学問にも関連するだけでなく、日常生活の中にも現れます。日常から地理を学ぶことは、日常生活と地理を結び付けた問題を出題する一橋地理の傾向を踏まえても大きく役に立ちます。添削指導していただく先生を信頼して地理の対策をしてください。

SDS学部志望の方へ

総合問題は、過去問とサンプル問題を合わせてもまだ3年分しかなく、どれもまったく違う問題が出題されているため、どんな問題が出題されるかが非常に予測しづらい科目です。そのため対策が活きづらく、かつ配点が他科目と比べてかなり低いため対策の必要性はあまりないと思います。この科目に時間を割くより、傾向がある程度決まっていて配点が高い英数に時間を割いた方が効率的です。
そんなことを言われても、受験生にとっては不安は拭いきれないと思います。そこで周りの人がやっていた対策を少し紹介します。やっている人が多いと感じるのは統計検定、数学Bの統計のような統計の勉強です。過去3年分の問題はどれも種類は違えど、統計の問題が出題されています。不安な受験生はこれらの勉強をやっておくと安心かもしれません。しかし総合問題は事前知識がなくても解けるように作られているため、これらの勉強をしていなくても焦る必要はありません。他科目の完成度と比較して、総合問題の対策をするべきか慎重に検討してください。

国語

一橋の国語は第一問が現代文の読解、第二問が近代文語文の読解、第三問が現代文の200字要約というのがここ10年程度定番となっています。
多くの一橋受験生は数学や社会等の勉強のために国語に多くの時間を割くことは難しいでしょうから的を絞った効率的な学習が必要だと考え、僕は第三問の要約に焦点を絞って勉強しました。うまく文章をまとめるには単に文章のキーワードをつかむだけでなく、その文章の論理展開を正確に把握し文章を流れとして理解する必要があります。そのため、文章の具体と抽象を区別しそれらをつなげて自分で文章を再構成することを心掛けることで論理展開の把握力は向上できるはずです。この力があれば現代文の読解はもちろん、ある程度の語彙さえ身につければ古典や近代文語文すら難なく解けるようになると思います。あとは漢字のミスさえなくせば国語の対策は完璧です。

数学

塾に行かずに数学の学力を高めるには、参考書の使い方が重要になります。まず大事なのは、苦手分野をなくすことです。そのためには、網羅系の参考書で、できない問題に取り組むのがおすすめです。これは入試直前期になっても重要で、結果的に合否を分けるのは基本的な問題を確実に取れるかどうかなので、基本が固まっていないのに過去問に取り組むのではなく、まずは苦手分野と向き合うべきです。
そして、過去問を解く際に気をつけるべきことは、次に似た問題と出会ったときに解けるような勉強を常に意識することです。また、時間を意識しながら本番に近い状況で問題を解くことも大切です。
最後に、意外と重要なのが、ミスとの向き合い方です。人によってしやすいミスというものがあるので、計算ミスをしたときにはただのミスだと思わずに、自分のしたミスをノートにまとめるなどして対策していくのがおすすめです。

英語

一橋の英語は形式が安定せず、毎年似た形式とは限りませんが、①長文問題②英作文は必ず出題されています。(以下あくまで私の対策です)
 ①長文問題対策では単語帳、文法書、長文問題集、過去問、英文解釈書の5種類を使用しました。単語帳と文法書は、各1冊ずつ覚えたあと、忘れないよう毎日確認しました。長文問題集は、短く簡単な単語からなるものから始め、次第に字数と難易度を増やしました。初めは文構造の解説が詳しい参考書を選びました。過去問は、高3の秋以降に長文問題集に代わる形で利用しました。夏明け以降は毎日長文を解いて、意味をイメージしつつ音読するようにしました。英文解釈書は、1冊を長文より優先させない程度に取り組みました。
 ②英作文対策では主に過去問を利用しました。過去問を解いてAIに添削してもらい、修正案を覚えました。日本語に直しても論理的な文章構成か否かはAIで確認できないので、自分で意識しました。

社会

私が日本史の勉強を始めたのは高校3年生の春で、だいぶ周りより遅れていました。そこから学校の定期テストを利用し、テスト範囲は完璧にしようと思いながら授業の復習をしました。日本史の単語は毎日何ページと自分で目標を作ってやっていました。
私が一番効果的だと思ったのは、寝る前に10分ほど時間を作って覚えるというやり方です。また、電車や車の中で単語を覚えました。さらに、教科書を中心に流れや因果関係もかなり詳しく追っていました。少しでも疑問に思う部分があったら、質問するようにしていました。
記述の対策に入ったのは夏以降で、過去問を約25年分解きました。最初は何も見ずに400字書いてみる、その後教科書を見てインプットしてからもう一度書いてみるということを繰り返しました。試験直前に見返すことができるため、自分なりに新しく学んだことや流れなどをまとめておくのもおすすめです。また、ポッドキャストなどで日本史の話を聞くのもおすすめです。

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