入試感触

実際に今年一橋大学に入学した一橋生が、今回の入試本番の問題を振り返ります。

パターン1

Q.どのような問題でしたか?

第1問は評論文で、漢字の書き取りが5問と記述問題が3問だった。 第2問は近代文語文で、現代語訳が1問と記述問題が2問だった。 第3問は論説文を200字以内で要約するという内容であった。


Q.過去問と比較してどう感じましたか?

第2問に関しては、近代文語文の出題が多く、稀に古文や現古融合文が出題されるが、 いずれの問題も過去問の傾向通りの問題であった。


Q.自分にとって今年度の問題は易化しましたか?難化しましたか?

第1問の要旨が掴みづらく、記述も該当箇所がわかりづらかったため、難化したと感じた。 第2問、第3問は例年通りの難易度だった。全体を通しては、例年通りの難易度だった。

パターン2

Q.どのような問題でしたか?

第1問は例年通り評論文、第2問は昨年度同様近代文語文、第3問は200字の要約問題だった。近代文語文の問1は昨年度のような語句の意味を答える小問集合ではなく、現代語訳になっていた。


Q.過去問と比較してどう感じましたか?

基本的に傾向通りだった。第1問の文章量は増加していたが比較的読みやすい文章だった。第2問の文章量は少なかったと記憶している。第3問も要旨が掴みやすい文章だと感じられた。


Q.自分にとって今年度の問題は易化しましたか?難化しましたか?

全体的に易化したように感じた。解答に困るような問題は出題されなかった。一方で、受験生間での得点差はあまりつかないのだろうと感じる問題でもあった。

パターン1

Q.どのような問題でしたか?

過去問で慣れていれば完答できる問題、少しひねっている問題、応用的な問題に分かれていたので、まずは全ての問題に目を通し、解ける問題を確実に採り、残りの時間を解けそうな問題に費やすという時間配分が大事だったと思う。


Q.過去問と比較してどう感じましたか?

例年通り、整数・確率・ベクトル・微積をメインに出題された。微積や式と証明は例年通りの難易度だったので、過去問を解いて学んだ解法を活かしやすかったと思う。個人的に2024を事前に素因数分解していたので計算の手間が省けてよかった。


Q.自分にとって今年度の問題は易化しましたか?難化しましたか?

易化。試験が始まってすぐに自分の中で戦略を練り、解ける問題を完答し、取り組みやすそうな問題に時間をかけられたので、試験中変に焦らずに実力を発揮でき、手応えもあった。

パターン2

Q.どのような問題でしたか?

微積にかけていたがまったく解けなかった。整数と数列は唯一解けたが初めて出会った解き方だったのでとても不安だった。式と証明、確率はとりあえず何か書いたがまったくわからず、ベクトルは捨てた。


Q.過去問と比較してどう感じましたか?

第1問から第5問まで整数、微積、式と証明、ベクトル、確率と分野は例年通りだった。 整数・微積・確率の過去問には20年分取り組んだが、今年は過去問と類似している問題はなかったように感じた。


Q.自分にとって今年度の問題は易化しましたか?難化しましたか?

難化。もともと数学は苦手で1完半から2完を目指し、整数・確率・微積のどれかを解き切るつもりだったが、例年解きやすい微積が解けず、かなり焦った。方針が立てづらく計算量の多い問題が多かったと思う。

パターン1

Q.どのような問題でしたか?

2個目の長文は、文法や語法の知識があれば英文の内容がわからなくても解けてしまうような問題だったので、受験生の読解力を測るという点では不十分なテストだったように思う。


Q.過去問と比較してどう感じましたか?

直近3年間ほどは読解問題は超長文1題が出されていたが、それが再び長文2題に戻った分、取り組みやすさはあったと思う。超長文の練習を入念にしていた受験生たちは今回の再びの形式の変更に戸惑った人はいたかもしれない。


Q.自分にとって今年度の問題は易化しましたか?難化しましたか?

2023年度の超長文が長い上に内容も難しかったこともあり、それと比べると今年度のは長文2題になった上に、英文の内容もそれほど難しくなかったので、かなり易化したように感じた。

パターン2

Q.どのような問題でしたか?

第1,2問は長文読解問題。ここ数年は、第1問で超長文を出題し、総合的に読解に関する事項や文法事項を問うていたが、今年度は記述力を問うものが主に第1問で扱れ、文法・語法事項の理解度を問うものが主に第2問で扱れており、棲み分けがされた。第3問は英作文。出題の意図に沿った答案が求められた。第4問はリスニング。例年通り客観式の記号選択問題で、課題文に対する要旨の理解と局所的な語句理解がともに問われた。


Q.過去問と比較してどう感じましたか?

ここ数年は、「第1問に超長文問題、第2問に英作文、第3問にリスニング」が基本的な問題構成として組まれており、特に第2問の英作文では、2022,23年度と連続して「抽象的な写真・絵」を描写する問題が続いていた。それゆえ、受験生の多くはこうした形式への対策を進めており、少し肩透かしを食らったのではないかと思う。


Q.自分にとって今年度の問題は易化しましたか?難化しましたか?

予備校が出している通り「平年並みか易化」というような問題が並んでいたため、過去問より解きやすかったが、「その分解けないと差がつくな」と思いながら問題と対峙していたため緊張した。そういった意味も含めると、難易度は平年並みと言えるのではないかと思う。

パターン1

Q.どのような問題でしたか?

第1問は中世ドイツ都市、第2問は奴隷という一橋世界史に頻出のテーマで、過去問をきちんとやっていたら解ける問題だった。一方、第3問はアジア史という点では例年通りだったものの、時代が大きく遡っていたため、過去問対策だけでは難しい問題だった。


Q.過去問と比較してどう感じましたか?

上記の通り、第1問、第2問は過去問に類題があったため、非常に解きやすかったが、例年よりも第1問の引用が長くなったため、当日は少し焦った。第3問は時代こそ例年と違ったが、問題自体はシンプルで、細かい知識が問われるものではなかった点では過去問より簡単だった。


Q.自分にとって今年度の問題は易化しましたか?難化しましたか?

例年通りまたは易化。過去問、私大対策、共通テスト対策をやっていればどれも確実に点数を取れる問題だった。

パターン2

Q.どのような問題でしたか?

第1問

過去問でも度々出題されている中世都市の問題。

第2問

奴隷貿易についての問題。書くべき要素が多い上に難しかった。

第3問

問題としては簡単だったと思う。


Q.過去問と比較してどう感じましたか?

第1問

過去の類題と違い資料文から情報を読み取らないといけなかった。

第2問

過去問に類題はあったが、奴隷貿易にとどまらず19世紀中葉の理解も必要で難しかった。

第3問

過去問の傾向が裏切られ、ほとんど対策していなかったので苦戦した。


Q.自分にとって今年度の問題は易化しましたか?難化しましたか?

昨年度の第2問のようにまったく歯が立たない問題はないものの、要求される知識が多く難しかった。また、第3問は一橋対策に専念していた人達には厳しかったと思う。易化ではあるが過去問の中では難しい方だと思った。

パターン1

Q.どのような問題でしたか?

第1問は江戸時代の民間に対する政治に関する問題で、大岡忠相の施策や江戸の自治的な町運営にも触れられていました。第2問は条約改正にも触れつつ、社会変革や社会主義を否定する法律の流れを聞かれました。第3問は戦後まもなくの経済政策とグラフから当時の経済状況を読み取り、石油危機に言及させられました。


Q.過去問と比較してどう感じましたか?

私は過去問を20年間くらい解きましたが、第1問と第2問は例年通りでした。第1問では「考えを述べよ」のような新しいタイプの問題が出たので焦りましたが、そういう問題は他の受験生も同じだと思って、無駄に字数を使わないように気を付けました。

第3問は今までにあまり出たことがないうえに、グラフを読み取るという形式も頻出するものではなかったため、手応えはなかったです。とにかく答えがありそうな教科書の範囲に書いてある単語を入れ込むように意識しました。


Q.自分にとって今年度の問題は易化しましたか?難化しましたか?

第1問、第2問は個人的に易化または普段通りと感じました。江戸時代の民間に注目した問題は頻出だし、過去問とまったく同じ内容もありました。第2問は小問1は資料を読み取り法律を当てる問題だったので若干運の要素を感じました。第3問は難化と感じました。私は過去問を中心に勉強をしていたので、傾向から外れた問題は難しかったです。ただ、難化だと感じる時こそ、冷静に解答を作成し、少しでも点数を取れるように気をつけることが大事だと思います。私は最初わからな過ぎて焦って、ドッジラインが何か思い出せませんでした。小問2は解けなくても大丈夫だと思います。

パターン2

Q.どのような問題でしたか?

第1問は江戸時代の町人について出題され、問4以外は教科書で十分に対処可能だった。第2問・第3問は例年通り近代以降から法・経済史について出題された。第3問で200字ほどの記述を2問求められたことが印象的だった。


Q.過去問と比較してどう感じましたか?

一部問題に特異性は見受けられるものの傾向はおおむね同一。第1問・第2問において小問ごとの記述の長さに偏りがみられたため、過去問研究を通して大問における記述量のバランス感覚を鍛えることが重要と思われる。


Q.自分にとって今年度の問題は易化しましたか?難化しましたか?

第1問、第2問で教科書でなじみのある内容が一部一問一答形式を含みつつ出題されたため比較的平易だった。第3問では教科書の記述を発展させた内容を200字程度書くことが求められ、比較的難解。全体的には例年通りの難易度だった。

パターン1

Q.どのような問題でしたか?

第1問は発展途上国の政治経済、第2問は日本の貿易、第3問は東京都市圏の交通についての出題だった。第1,2問は自分の持っている知識に結び付けられる力、第3問は現代社会の問題を仕組みから理解し、分析する力が問われた。


Q.過去問と比較してどう感じましたか?

第1問は発展途上国について例年出題される傾向があるが、コロンビアの政治やコカについてなど触れたことのないテーマが出題され、時間を要した。また、第3問はトリップの概念を理解するまでに時間がかかった。先進国と途上国間の貿易という典型的な問題が出題された第2問が得点源といえる。


Q.自分にとって今年度の問題は易化しましたか?難化しましたか?

全体でみれば例年通りだったが、第1問や第3問など時間を要する部分があったため、時間配分を間違えてしまうと大きな致命傷になってしまうと感じた。過去問で傾向をつかみ、身につけた自分の知識と一橋地理に独特の解法を最大限に活かすことが重要な問題だった。

パターン2

Q.どのような問題でしたか?

問題1は地図やグラフから社会問題を述べる問題で、一部に細かい知識を必要とする問題も含まれた。問題2、問題3はともに与えられた資料から推測して述べる問題であった。


Q.過去問と比較してどう感じましたか?

一橋の地理の特色である表やグラフの読み取りは例年通りの量と質だったと感じるが、問題1のバイオエタノールに関する問題で、より直接的な知識が問われたことが例年との違いだったと思う。


Q.自分にとって今年度の問題は易化しましたか?難化しましたか?

問題1は過去問であまり見ない形式だったのに加えて、問題2、問題3は共に問題の意図が推測しづらかっため、難化したと感じた。

パターン1

Q.どのような問題でしたか?

第1問:最小二乗法についての問題でした。

第2問:ドント式・最大剰余方式など、議席配分をテーマにした問題でした。

第3問:ロボットの移動に関する問題でした。


Q.過去問と比較してどう感じましたか?

僕は昨年度の過去問を解かずに2年前のサンプル問題のみを解いていました。それと比べると明らかに問題把握が難しくなっているという印象でした。


Q.自分にとって今年度の問題は易化しましたか?難化しましたか?

昨年度の問題を解いてないのでなんとも言えないですが、僕にとっては題意が把握しづらくかなり解きにくい問題だったという印象が強く残っています。

パターン2

Q.どのような問題でしたか?

第1問はデータを適切にグラフ化し、考えを述べる問題、第2問は選挙の2つの方式を比べて、メリットとデメリットを述べる問題、第3問は見たことがないような問題で、設問から読み解き、効率の良さを考えさせるような問題でした。


Q.過去問と比較してどう感じましたか?

過去問は数Bの確率と大きく関わっている問題が多いと感じましたが、今回はデータを全面に押し出したものは大問1のみで、社会やAIと関連する問題が出るなど、多方面の知識と思考力を要されていると感じました。


Q.自分にとって今年度の問題は易化しましたか?難化しましたか?

とても難化したと思います。過去問やサンプル問題をみて、数Bの確率さえ勉強しておけば取れると思っていましたが、蓋を開けるとまったく分からず、時間をかければできそうな問題に試験時間のほとんどをかけてしまいました。

後期英語

Q.どのような問題でしたか?

長文はアンドロイドとヒューマノイドの定義などについての問題、英作文は英検のような意見論述型の問題であった。


Q.過去問と比較してどう感じましたか?

今年の形式の自由英作文は入学後の必修授業でEssay Writingを詳しく扱うことから、内容だけでなく形式も相当重視されている可能性がある。全体としては、例年同様で易問も多く確実な得点が必要であることは変わらない。


Q.自分にとって今年度の問題は易化しましたか?難化しましたか?

長文の難易度は大差無いように感じたが、英作文は前期試験校がこの形式だった自分としては楽に感じた。前期の合否判明後に絶望の中で後期試験会場に足を運ぶことは決して容易ではないが、受けなかったことを後悔することがないような選択をどうかしてほしい。

後期数学

Q.どのような問題でしたか?

問題文から条件を確実に抽出しそれを式に変換したり(第2問)、図的考察を試みたりする(第4問)。時間には余裕があるので精確に解けるところを解き、解き切れなくても方針を立てそれを実行していることを答案で伝えることが大切である(第3問-(2))。


Q.過去問と比較してどう感じましたか?

方針の立てやすさは例年通りだが、第2問、第3問の計算は煩雑で第3問に至っては解に目を疑うレベルだ。しかし、第5問-Ⅰは数Ⅲを使わず規則性が見つかるまで書き出すだけなので文系生徒が不利ということもない。


Q.自分にとって今年度の問題は易化しましたか?難化しましたか?

時間に余裕がある中で方針を立てやすい問題の計算を確実に行うことが得意な自分としては易化であったが、そう感じない人もいるだろう。自分は第1問、第3問-(2)が完答できなかった(270点)。また、周りに話を聞いたところ第5問、数Ⅲの問題を解いた人は極めて少なかった。

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