新型コロナウイルス感染拡大以降、一橋大学では多くの授業がオンラインとなりました。それに伴い、キャンパスのある国立とつながりが希薄になりつつある一橋生が増えています。そのような中でも、地域に根ざして活動を続ける一橋の学内団体を2回に渡ってインタビュー形式でご紹介します。
今回は谷保の商店街を活動拠点とし、NPO法人として学生だけでなく経験豊富な地域の方々と共に活動をしている、まちづくり×ビジネスサークル Pro-K(プロック)さんです。
Pro-Kの特色としては、谷保の商店街という活動拠点を持っている点、また、NPO法人として法人格を持ち、学生だけではなく地域および商店街の方々と共になって運営している点が挙げられます。まず一つ目について、活動拠点があることで特別に機会を設けることなく地域の方々と日常的に交流が可能であり、また、地域の方々も私たちのことをお客さんではなく一緒に街で活動しているメンバーとして接してくださいます。また二つ目に関して、私たちPro-KはNPO法人くにたち富士見台人間環境キーステーションとして活動を行っており、そこには谷保周辺の商店主さんなどの大人の理事の方々もいらっしゃいます。つまり、学生だけの独断で経営を行っているわけではなく、経験豊富な大人の方々のサポートをいただきながら、しかし同時に対等な関係で活動を行っています。
国立の魅力は学生や地域の方々の距離感が近いことにあるかなと思います。一橋大学に限らず学校などが多く、またそこに通う学生のご家族などが多く住まれているため、地域交流のイベントなどがあった際にも多くの方が参加してくださり、また、私たちの団体に限らず、様々な団体が地域交流のためイベントを頻繁に開催するきっかけとなっているのかなと考えます。この小さなコミュニティの活動が活発というのは大きな魅力であると思います。
私自身は大学生になる以前は国立にいたわけではないので、正確で詳細な変化の評価は非常に難しいですが、種々の学生団体が市や地域に対してアプローチするようになってきていると多くの方から話を伺います。また、Pro-Kに関して言うと、発足当初は谷保という地域や商店街に対して積極的に働きかけて動く学生団体、という意識が内外ともに強かったようですが、長年地域に密着して活動することにより今では商店街のイベント等には欠かせない存在として認められています。それに伴い活動もより地域の方との密着感を意識したものになり、自発的に地域の方と協力したりコラボしたりして企画をすることが増えました。
最初の緊急事態宣言の際にPro-Kは全店舗休業を余儀なくされ、それを機に財政面でも大きな困難を迎えましたが、それ以上に学生の地域へのかかわり方が大きく変化せざるを得なかったことが最大の困難です。特に、商店街で人を多く集めたイベントを実施することが不可能になり、Pro-Kの活動の大きな部分を占めるイベントの実施を2年生以下が経験していない状態です。これは今なお大きな課題であり続けています。イベント自体はオンラインで行えるものとしたり、また密にならないように最大限の配慮を行いながら小規模のものを開催したりといった形で対応していますが、それでも大きなお祭り等がすべて中止に追い込まれており、今一度団体としての理念や意義が問われています。むしろこれを契機と捉えて、20年続くPro-Kとしての活動指針を改めて全員で考えてみるといったことを今やっているところです。
今後、商店街でイベントが再開可能となった時に学生全体でその復活を担い、商店街に活気を取り戻すことが大きな目標です。また、このコロナによる財政の危機を受けて各店舗がその活動意義を考え直すことにもつながったので、今一度それぞれがどういった店舗として、またどのようなアプローチで地域の方々に貢献していくのかというのを明確にし、それに沿って活動していけたらよいと考えています。ぜひコロナが落ち着いたら皆様も大学通り沿いのむっさ21商店街にいらしてください!
いかがだったでしょうか?
地域も学生もコロナ禍で大きな危機に直面したもののしたものの、Pro-Kさんは、アフターコロナに向けてそれまで活動し続けてきた商店街に活気を取り戻すべく再スタートしようとしています。
詳しくはこちら(Pro-Kさんのnote)からご覧いただけます。
次回の後編もお楽しみに。