【新入生必見!】委員の履修解説【社会学部編】

はじめに

新入生の皆さん、どうもこんにちは。一橋大学への合格おめでとうございます。WEBマガジン編集長の田舎産委員です。

大学に入学するにあたっての悩み事はいくつもありますが、その中でも履修登録は大きな悩みではないでしょうか? 高校まででは無かったシステムですし、どうすればいいのか不安になりますよね。委員の履修解説シリーズでは、そんな新入生の皆さん向けに、新2年生委員からの履修アドバイスを聞いていきます! きっと参考になるはず!

本記事は社会学部編です。他学部の情報が知りたい方は、以下のリンクから委員の履修解説シリーズ一覧をご覧ください!

https://ikkyosai.com/magazine/wordpress/archives/tag/%e5%a7%94%e5%93%a1%e3%81%ae%e5%b1%a5%e4%bf%ae%e8%a7%a3%e8%aa%ac

※これらの意見は2023年度のものです。最新情報は大学公式WEBページのCELSに掲載されていますので、そちらも併せてご確認ください。

基礎知識

委員の声に移る前に、まずは基礎知識を確認しましょう。

進級・卒業には必要単位数が存在し、まずはこれを満たすことを目標に各々履修を組んでいきます。

基本的に、1つの授業につき得られる単位は2単位です。基本的に単位は〈コマ数/週×学期数=単位数〉で計算されるのですが、大抵の授業は2学期間にわたって週1回、または1学期間に週2回で開催されるため、結果的にほとんどの授業は2単位になります。

代表的な例外としては、1年生必修の語学クラスPACEは春夏学期開講の「PACEⅠ」、秋冬学期開講の「PACEⅡ」それぞれで4単位ずつ得られます。また、社会学部の必修科目である「スポーツ方法」など、一部例外的に1単位しか得られない授業も存在します。

また、進級・卒業要件は単に単位数だけでなく、科目ごとの単位数指定が存在します。そのため、履修を考える際には授業の数だけでなく、種類にも気を配る必要があるのです。

頭がこんがらがってきますよね。でもご安心を。次の項から、昨年同じ道を通った先輩のアドバイスを掲載していきます!

1年生春夏学期の履修について

社会学部1年の春夏学期は、PACEや第二外国語、「社会科学概論」や「社会研究の世界」、「導入ゼミナール」といった必修授業が多いですが、その他にもさまざまな選択授業を履修することができます。その一つが「スポーツ方法(春夏)I」という授業です。社会学部の生徒は卒業するためにスポーツ方法の授業を2単位取得する必要があります。スポーツ方法には、バスケットボール、フリスビー、ウォーキング・ジョギング、レク、ヨガ、古武術など多様な種目があり、中には抽選倍率が高い種目もあります。スポーツ方法の授業は少人数で行われ、友人を増やしたり教授と仲良くなれたりします。高校までの体育の授業とは違う面白さがあります。入学したてで授業で友人を増やしたい!という新1年生にぴったりな授業です。

社会学部の1年の春夏学期は、PACE、第二外国語、学部の必修科目でかなり埋まってしまいます。そのため、埋まっていない残りの枠で進級や卒業に必要な授業を履修しましょう。社会学部は進級のために英語(PACE・第二外国語は除く)の単位が4単位必要なので、英語の授業に申し込むと良いです。英語の授業にはリーディング、ディスカッション、資格試験などさまざまな種類があるので、興味のある授業を探してみましょう。英語の授業は全体的に抽選倍率が高く、特に「LL」と呼ばれるリスニングの科目では5倍を超えることもあります!  英語の授業は複数抽選の希望を出すことができるのですが、倍率が1倍を超える授業は第2希望以降に出しても基本当選しないので、特に取りたい授業は第1希望として申し込むようにしましょう。全部の抽選に落選することもありますが、1年生の春夏の段階では焦らなくて大丈夫! 残った枠で他に興味がある授業に申し込みましょう。

委員のおすすめ授業

授業名:自然科学史(西洋)

社会学部の生徒は卒業するために数理情報科目を4単位取らなければなりませんが、そんな数理情報科目の中でおすすめは「自然科学史(西洋)」という授業です。秋冬学期に開講されるこちらの授業では、自然科学の西洋史を学習することができます。
高校世界史のカリキュラムでは自然科学史はそれほど時間をかけて扱われる分野ではありませんが、大変興味深い分野です。この授業を履修すると、科学と社会の結びつきの強さを身に染みて感じることができます。科学の発展と二度の世界大戦の深い関係や、冷戦期におけるアメリカとロシアの競合がその好例です。この授業の先生は講義の最後にもっと深く学びたい人向けにおすすめの書籍や動画、ウェブサイト、博物館などを紹介してくださるのでそちらも大変参考になります。
高校で世界史を履修していた人からすると良い復習にもなるし、世界史以外の社会科目を履修していた人にとっては新しい分野で発見も多いです。私は高校時代世界史を学んでいましたが、新たな発見があったり出来事と出来事の見えなかった繋がりが見えたりして、とても楽しんでこちらの授業を受けることができました。
興味のある方はぜひ秋冬学期に履修してみてください!

授業名:日本語研究入門

この授業は全学共通教育科目と呼ばれるいわゆる教養科目に所属し、学部・学年関係なく誰でも受講することができます。私は日本語学に興味があったので履修を決めました。
授業では、その名の通り日本語学の入門的な知識を扱います。具体的には、音声学や文法的要素、社会言語学や方言に至るまであらゆる日本語学の分野について学習します。

私が授業を受けていて特に興味深かったのは、文法的に間違いとされるような表現も、合理的・体系的な言語変化とみなすことができる場合があるという話です。
例えば、「ら抜き言葉」ってありますよね。可能の意味の「見られる」「食べられる」などから「ら」を抜いて、「見れる」「食べれる」などと言う、日本語の乱れとしてよく取り上げられる表現です。一般的には不適切な表現とされあまり良いイメージのない「ら抜き言葉」ですが、実は理に適った表現とも言えるんです! というのは、受身・尊敬・可能の3つの意味を表すことができる「見られる」は、「見れる」に変化することで可能の意味しか表さなくなるんです。つまり、「ら抜き言葉」を使うことで、意味の判定が容易になるということです。実は、これは過去に起こった言語変化と全く同じものなんです! 「書く」の可能形は明治時代あたりまでは「書かれる」だったのですが、現在は「書ける」と活用しますよね。受身・尊敬・可能の意味を表すことができる「書かれる」は、「書ける」に変化することで可能の意味だけを持つようになったんです。長々と説明してしまいましたが、要するに今言葉の誤用として捉えられている表現ももしかすると歴史的な言語変化の中に位置付けられるかもしれない、ということです。
この話を面白いと感じた人、日本語に少しでも興味がある人は楽しめる授業だと思います。1年生から履修できるのでぜひ検討してみてください!

授業名:古文書(近世A)

社会学部の皆さんの中には歴史大好き!って人も多くいるのではないでしょうか!? そんな人はきっと資料館に展示されている歴史的な書物を読めたらなぁ~と思って朝も起きられないなんてことがよくあると思います。(圧)
そんな方に必見の授業がこの講義です! 崩し字とよばれる字を解読することで書いてある文字を翻刻するのがこの授業のざっくりとした内容です。昔の人が書いた文章を自分の力で読めるなんて感動ですよね?
読み方の法則が見えてくると案外、資料館に置いてある書物が読めるようになってくるものです!
例えば崩し字だと、「年」と「手」、「取」と「被」は酷似しているので文脈から推測して翻刻する必要があるんですね。面白い!
また、実は厄介なのが漢字なんですよね。例えば「寸」「春」「須」の3つの漢字はひらがなの「す」と同じように使われることがあるんです。このように古文書を読むにはさまざまな可能性をパズルのように翻刻していく作業が必要なんです!
「多すぎて覚えきれない!」という声が聞こえてきそうですが、崩れ方の基本系を理解してしまえば、意外と覚えられるんです。例えば「可」の崩れ方を覚えてしまえば「何」は簡単に読めますし、その形を見つけられたときは感激です。
手紙の作法も面白いです。「平出」という不自然な改行や「欠字」という不自然なスペースを設けられている手紙があるのですが、これが敬意を表すものらしいです。興味深いですよね!

自分が履修したときは、成績は中間と期末の2つと授業内課題で決まりました。興味がある方はぜひぜひ!

おわりに

今回の記事はこれで終わりです。いかがだったでしょうか。履修登録は大学入学後最初の関門と言われることもあるほど複雑で、かなり大変です。ですが、この登録を乗り越えればついにキャンパスライフの始まりです! 大変だとは思いますが、この記事も参考にしつつ頑張ってください!

委員の履修解説シリーズは学部別に5本投稿しています。他学部の記事でもおすすめ授業は参考になると思いますので、気になった方はぜひぜひチェックしてみてください!

また、一橋祭運営委員会では、4月の2,3,4日にZoom上で履修相談会を開催しています。委員と1対1で履修について相談できる機会になっていますので、こちらもぜひぜひご活用ください! 詳細はこちらのリンクの新歓WEBから確認できます!

https://ikkyosai.com/shinkan/55/event

といったところで今回の記事を締めくくりたいと思います。それではまたどこかで。